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空き家の庭木が隣に越境したら?改正民法の枝の切除ルール【長崎】
こんにちは。住まい∞Labo(株式会社Rich)の那須井です。
「空き家になった実家の庭木が隣の家に越境していると、お隣から連絡があった」というご相談が増えています。先に結論をお伝えすると、2023年4月の民法改正で、条件を満たせば隣の人が越境した枝を自分で切れるようになりました。その費用を所有者が請求されることもあります。遠くに住んでいて庭の様子が分からない空き家ほど、早めに手を打つことが大切です。この記事では、改正のポイントと、相続した空き家の所有者がやっておきたいことをまとめます。
この記事を書いた人:那須井 健太(住まい∞Labo/株式会社Rich 代表)
住宅業界20年。長崎県内で空き家管理と、相続した実家の売却相談をお受けしています。しつこい営業は一切いたしませんので、まずはお気軽にご相談ください。
📖 目次
1. 空き家の庭木が越境するとどんなトラブルになる?
人が住んでいれば気付ける枝の伸びも、空き家では1〜2年で一気に隣地や道路へ張り出します。よくあるのは次のようなトラブルです。
- 落ち葉で隣家の雨どいが詰まる:掃除の手間や、詰まりによる雨漏りの苦情につながります。
- 枝が屋根・車・電線に当たる:台風のときに折れた枝で物を傷つけると、損害賠償の問題になることがあります。
- 日当たりや害虫の苦情:茂った木は毛虫や蜂の巣の原因にもなります。
長崎は斜面地に家が段々に建っていることが多く、上の敷地の木が下の家の屋根に覆いかぶさる形になりやすい地域です。雨が多く草木がよく伸びるので、気付いたときにはかなり大きくなっていた、という例も少なくありません。また、草木の繁茂を放置した空き家は、空家法の「管理不全空家」として市町村から指導を受ける理由の一つにもなります。
2. 2023年4月の民法改正で何が変わった?
隣地から越境した枝のルールは、民法233条に定められています。2023年4月1日に施行された改正で、次のように変わりました。
| 項目 | 改正前 | 改正後(2023年4月〜) |
|---|---|---|
| 越境した枝 | 木の所有者に切ってもらうよう求めるしかなかった | 原則は所有者に切ってもらうが、一定の場合は隣の人が自分で切れる |
| 越境した根 | 隣の人が自分で切れる | 変わらず、自分で切れる |
| 木が共有の場合 | 共有者の間で扱いがはっきりしなかった | 各共有者が単独で枝を切れる |
改正の背景には、所有者が遠くに住んでいたり、連絡が取れなかったりする空き家が増え、越境した枝をどうすることもできないという問題がありました。つまり、この改正は「管理されていない空き家」を念頭に置いたものと言えます。
3. 隣の人が自分で枝を切れる3つのケースと費用
改正後の民法233条3項では、次のいずれかに当てはまると、越境された側の土地の所有者が自分で枝を切れます。
- ①切るよう頼んだのに、相当の期間内に切ってもらえないとき:法務省の考え方では、基本的に2週間程度とされています(事案によって変わります)。
- ②木の所有者が分からない、または所在が分からないとき:相続登記がされていない、登記上の住所が古いといった空き家はこれに当たる可能性があります。
- ③急迫の事情があるとき:台風で折れかけた枝が今にも落ちそう、といった場合です。
所有者側として知っておきたいのは、切るのにかかった費用は、基本的に木の所有者に請求できると考えられている点です。業者に頼めば数万円になることもあります。また、枝を切るために必要な範囲で、隣の人が事前に通知したうえで空き家の敷地に入ることも認められています(民法209条)。
「知らないうちに切られて、あとから請求書が届いた」とならないためには、隣の方が連絡できる状態にしておくことが何より大切です。
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4. 相続した空き家の庭木は誰が切る?共有の場合の注意点
実家を兄弟で相続し、遺産分割がまだ終わっていない場合、家も庭木も相続人全員の共有になっています。改正民法では、木が共有のときは各共有者が単独で越境した枝を切れる(233条2項)とされたので、「ほかの兄弟の了解を取るまで剪定できない」と心配する必要はありません。
ただし、木そのものを根元から伐採するとなると話は別です。庭の景観や売却時の評価にも関わるため、共有者で話し合ってから決めるのが安全です。費用の分担についても、あとでもめないよう先に決めておきましょう。
また、前の章のとおり、所有者が分からない空き家は隣の人が自分で枝を切れる対象になります。相続登記(2024年4月から義務化)を済ませておくことは、こうした近所とのトラブルを避けるうえでも意味があります。
5. 越境トラブルを防ぐ空き家の庭木管理の方法
お隣に連絡先を伝えておく
いちばん効果があるのはこれです。枝が伸びたときに直接連絡をもらえれば、勝手に切られたり、苦情が自治体に行ったりする前に対応できます。
年1〜2回の剪定を目安にする
長崎では春から夏にかけて枝がよく伸びます。梅雨や台風の前に一度、落葉樹なら葉が落ちた冬にもう一度見ておくと安心です。高い木や電線の近くの木は危ないので、自分で切らずに専門業者に頼みましょう。
今後も手入れが難しいなら、伐採や売却も検討する
毎年の剪定代を払い続けるより、大きな木を伐採したほうが長い目で見て負担が減ることもあります。誰も住む予定がないなら、管理を続けるか、売る・貸すに切り替えるかを考えるきっかけにしてもよいと思います。
「遠くに住んでいて、庭木がどれくらい伸びているかも分からない」という方は、定期的に見に行ってもらえる体制を作っておくと安心です。住まい∞Laboの草刈り・立木剪定では、定期訪問のときに庭の状態を確認して写真でお知らせし、作業が必要な場合は範囲を確認したうえで別途お見積もりします。住まい∞Laboでは、長崎県内(平戸市・佐世保市・離島を除く)の空き家を月1回訪問し、室内外の確認・換気・通水・写真報告を行う長崎県の空き家管理サービスを月額4,000円(税込)から承っています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 隣の家に越境した空き家の枝は、隣の人が勝手に切ってもいいのですか?
A. 原則は木の所有者に切ってもらうよう求めます。ただし、頼んでも相当の期間(基本的に2週間程度)内に切られない、所有者が分からない、急迫の事情がある、のいずれかに当てはまれば、隣の人が自分で切れます(民法233条3項)。
Q2. 隣の人が枝を切った費用を請求されたら、払わないといけませんか?
A. 基本的には木の所有者に請求できると考えられています。ただし、切った範囲が必要以上だった場合などは個別の判断になります。金額や内容に納得できないときは、弁護士などの専門家にご相談ください。
Q3. 越境した根や落ち葉はどう扱われますか?
A. 越境した根は、改正前から隣の人が自分で切れます。落ち葉そのものについて民法233条に定めはありませんが、苦情の原因になりやすいので、剪定で量を減らしておくのが現実的です。
Q4. 実家の庭木を伐採してから売ったほうがいいですか?
A. 必ずしも必要ありません。手入れされた庭木はプラスに見られることもあります。越境している枝だけは売却前に整理しておくと、買主や隣の方とのトラブルを防げます。伐採するかどうかは、査定の段階で一緒に考えるのがおすすめです。
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