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相続した実家が未登記建物だった!売却前の表題登記と費用【長崎】
こんにちは。住まい∞Labo(株式会社Rich)の那須井です。
相続した実家の登記簿を取ってみたら、土地はあるのに建物の記録がどこにもない。いわゆる「未登記建物」です。結論からお伝えすると、未登記建物でも相続・売却はできます。ただし、建物を残したまま売るなら、多くの場合は売却前に「建物表題登記」と「所有権保存登記」を済ませる必要があります。この記事では、長崎で実際に見かけるケースをもとに、確認方法・登記の流れ・費用の目安・取り壊して売る場合の注意点まで整理します。
この記事を書いた人:那須井 健太(住まい∞Labo/株式会社Rich 代表)
住宅業界20年。相続した実家の売却では、土地家屋調査士・司法書士と連携して登記の整理から一緒に進めています。しつこい営業は一切いたしませんので、まずはお気軽にご相談ください。
📖 目次
1. 未登記建物とは?相続した実家で多い理由
未登記建物とは、法務局の登記簿に建物の情報(所在・構造・床面積など)が記録されていない建物のことです。不動産登記法では、建物を新築したら1か月以内に建物表題登記を申請する義務があり(第47条)、怠った場合の過料(10万円以下)も定められています。それでも未登記の家が残っているのは、次のような事情があるためです。
- 住宅ローンを使わずに建てた:金融機関が抵当権を設定しないため、登記をしないまま済んでしまった
- 増築・離れ・倉庫だけが未登記:母屋は登記済みでも、後から増やした部分が反映されていない
- 昔の建築で書類が散逸:親の代、祖父母の代に建てた家で、経緯を知る人がいない
長崎の斜面地や古くからの住宅地では、昭和期に自己資金で建てた木造住宅や、後から付け足した部屋・物置が未登記のまま、というケースを売却相談の中で見かけることがあります。
2. 実家が未登記かどうかを確認する方法
確認は次の3つで行います。相続の手続きを始めたら、早めに確認しておくのがおすすめです。
| 確認するもの | どこで | 見るポイント |
|---|---|---|
| 登記事項証明書(建物) | 法務局・オンライン請求 | 建物の記録があるか。床面積が現況と合っているか |
| 固定資産税の課税明細書 | 毎年届く納税通知書に同封 | 家屋番号の欄が空欄・「未登記」等の表示になっていないか |
| 名寄帳(固定資産課税台帳) | 市町村の資産税担当窓口 | 親名義の家屋が漏れなく載っているか |
ここで知っておきたいのは、未登記でも固定資産税はかかっているということです。市町村は現地調査で家屋を把握し、課税台帳に載せています。「税金を払っているから登記もあるはず」とは限らない点に注意してください。相続した後は、多くの自治体で「未登記家屋の所有者変更届」の提出を求められます。長崎市の様式や窓口は資産税課へ確認しましょう(固定資産税の納税者については相続した実家の固定資産税は誰が払う?でも解説しています)。
3. 未登記建物のまま売却するとどうなる?3つの注意点
未登記のままでも、売買契約そのものは法律上可能です。ただし実務では次の3つが壁になります。
① 買主が住宅ローンを使いにくい
金融機関は建物に抵当権を設定して融資します。登記のない建物には抵当権を設定できないため、ローン利用の買主は対象外になりやすく、買い手の幅が大きく狭まります。
② 買主が所有権を第三者に主張できない
登記がないと、買主は「自分の家だ」と登記で証明できません。買主にとってリスクが大きいため、価格交渉の材料にされたり、購入を見送られたりします。
③ 相続人どうしで所有者があいまいになる
遺産分割協議書に未登記建物を書き漏らすと、後から「あの建物は誰のもの?」という問題が起きます。協議書には「未登記の木造平家建 居宅(床面積○㎡)」のように、課税明細書の内容をもとに特定して記載しておくことが大切です(相続した不動産の遺産分割の進め方も参考にしてください)。
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4. 売却前に必要な登記の流れと費用の目安
建物を残して売る場合、一般的には次の2段階で登記を整えます。相続人の名義で直接表題登記を申請し、続けて保存登記をする流れが多く見られます。
| 手続き | 依頼先 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| ① 建物表題登記(建物の物理的な情報を登録) | 土地家屋調査士 | 報酬 約8万〜15万円程度(登録免許税はかからない) |
| ② 所有権保存登記(所有者を登録) | 司法書士 | 報酬 数万円程度+登録免許税(固定資産税評価額×0.4%) |
表題登記では「誰が所有者か」を示す書類が必要です。建築確認済証・検査済証、工事業者の引渡証明書、固定資産税の評価証明書などを組み合わせて使い、古い家で書類がない場合は、相続人全員の上申書などで補うこともあります。さらに相続の場合は、戸籍謄本一式や遺産分割協議書も必要です。調査士が現地で建物を測り、図面を作成するため、依頼から完了まで1か月前後は見ておきましょう。
母屋は登記済みで増築部分だけが未登記の場合は、「建物表題変更登記」で床面積を現況に合わせます。売却時の書類の全体像は不動産売却に必要な書類リストにまとめています。
5. 取り壊して売る・そのまま売る、どちらを選ぶ?
築年数が古く、買主が建て替え前提で探しそうな物件なら、登記をせずに解体して土地として売る方法もあります。もともと登記がない建物なので滅失登記は不要ですが、市町村には家屋を取り壊した旨の届出をしておきましょう(翌年度以降、家屋の課税が残らないようにするため)。
- 登記してそのまま売る:まだ住める家/リフォーム需要がある地域/解体費が高い斜面地や階段立地
- 解体して土地で売る:老朽化が進んでいる/更地のほうが買い手が見つかりやすい立地
ただし、更地にすると住宅用地の特例が外れて土地の固定資産税が上がることや、接道条件によっては再建築できない土地もあることに注意が必要です。どちらが手取りで有利かは、登記費用・解体費・想定売却価格を並べて比べるのが確実です。登記をしないまま買主に引き渡すと、後のトラブルにつながるおそれもあります(契約不適合責任とは?)。
登記の整理や売却方針が決まるまで、実家が空き家の状態で長引くこともあります。住まい∞Laboでは、長崎県内(平戸市・佐世保市・離島を除く)の空き家を月1回訪問し、室内外の確認・換気・通水・写真報告を行う長崎県の空き家管理サービスを月額4,000円(税込)から承っています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 未登記建物も相続税の対象になりますか?
A. なります。登記の有無に関係なく、建物は原則として固定資産税評価額をもとに相続財産として評価されます。申告漏れにならないよう、課税明細書や名寄帳で確認しましょう。
Q2. 未登記建物にも相続登記の義務化は関係しますか?
A. 2024年4月に始まった相続登記の義務化は、登記されている不動産の名義変更が対象です。ただし建物の表題登記には別に申請義務があり、売却するならいずれ登記が必要になります。
Q3. 建築確認の書類が見つかりません。登記できますか?
A. 古い家ではよくあります。固定資産税の評価証明書や納税証明書、相続人全員の上申書などで所有を証明できる場合があります。まずは土地家屋調査士に相談してみてください。
Q4. 登記の費用は売主・買主どちらが負担しますか?
A. 表題登記・保存登記は売主側で済ませてから売り出すのが一般的です。買主負担とする代わりに価格を調整する方法もあるため、媒介契約の段階で不動産会社と方針を決めておきましょう。
Q5. 小さな物置や車庫も登記が必要ですか?
A. 基礎で土地に固定され、屋根と壁があり、用途に使える建物は登記の対象になり得ます。簡易な置き型物置などは対象外のこともあるため、調査士に現地で判断してもらうのが確実です。
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